〜亡き母との対話 四十九日〜
私: 今日7月27日は長男以外の親族たちは、納骨と四十九日の儀をするとのことだけれど、故人本人はどう思っているんだ?
母: そうだね。そういうことをするのか…。という気持ちだね。要るのかな…?と。
私は要らないと思うけど、残った人たちが納得したいからやることだからね。ただ、余計なお金がかかるね。何にもならない無駄なお金だと思う。
私: 六道の教えでは、七日毎に裁判にかけられるため、七日×7=四十九日まで、和尚を呼んで決められた通りの正しい法要をしなければ故人は成仏出来ず人間に生まれ変わることが出来ないとされているけれど、当事者として、日本の仏教独自の六道の教えをどう考える?
母: 正しい法要とは何だろうね?和尚の行う儀式がなければ、私は救われない!?とは思わない。お寺に骨を持って行った時に、和尚さまのお経を聞いて結局は清められなかったからね。雑念ばかりが入ってきて気持ち悪くなっただけで、その後あなたに浄化して助けてもらったでしょう。七日毎の裁判もなければ、裁判官も現れないし、周りの景色も何も変わらない。あなたとこうして話が出来て、会いたい人の所にも行けて、悔いる気持ちはなく随分と穏やかなものですよ。ただ家族や友人知人の悲しみの念が瞬時に分かるだけに、どうにかしてあげたいと思うだけだね。
私: そんな時は実際にどんなことをしているんだ?
母: 悲しまないで…と優しく言い聞かせ続けると、こちらの気持ちが相手の心に入って癒すようで、だんだん穏やかになってゆくんだよ。痛い所があれば摩ってあげたり取ってあげたりする。そうすると楽になってゆくみたいだ。病気によっては治せないものもあるけれど。こうして、あなたに伝えることで、死んだ人にも出来ることがあるということを知ってほしいものだ。誰にでもするわけではないよ。やはり、それだけの良き関係にあった人だけだよね。
私: 死んだクマ(愛犬)が親父の目の治療や膝と腰の痛みを取って持っていったことがあった。お袋は知ってたか?
母: 知らなかった。そう言えば奇跡的に治ったことがあったね。医者も奇跡だと言ってたけど、そういうことだったのか。
私: 死んだクマに言ったんだよ。死んだ後も家に居たから、お前は病気を治すために何回も手術してもらったんだから、今度はお前が親父の病気を何とか治して元気にしてやってくれ!って。そしたら、失明すると言われてた目も治り膝腰の痛みも楽になり、しかもその後、仔犬を拾わせて、成長したらクマそっくりのまるで生まれ変わりみたいな姿になってさ。神も靈も信じない親父が、クマの生まれ変わりだ!とか急に言い始めて、びっくりしたよ。
母: そうだったのか。あれはびっくりしたね。どんどん死んだクマそっくりになっていったからね。たぶん散歩中に一度逃走して暫く帰って来なかったことがあったから、その頃あちこちに子を作って、その子孫じゃないかと思うというのが結論だったけど。そうだとしても奇跡だ。
私: そうそう、クマが導いた奇跡だよ。あれから親父は元気を取り戻したんだよな。畑仕事もしたし、車で野鳥追っかけしたし、ずいぶんPCもやったし元気だったな。だけれど、無理して頑張り過ぎて、帯状疱疹が出た後からだな。病院にいくようなり、医者に言われるままに薬を飲んでから薬害の連鎖が始まっていった。
母: 元々、食生活もだいぶ良くなかったけどね。夜中に隠れてジュース飲んだりお菓子やアイスクリームなど沢山食べていたからね。子供の頃の満たされない欲求だから仕方ないけれど。私の言うことも聞かないし、病院が出す薬だけは言われるままに全部飲んでたから、結局、パーキーソン病のようなものになってしまったんじゃないかな。
私: 親父の病はもう治らないかな?
母: たぶん難しいと思うよ。自分が薬害を自覚して、自然の力で治そうという気持ちが出てこない限りはどうしようもない。堂々巡りで繰り返すばかりだから。どうせ死ぬなら好きなように飲み食いするという思いだから良くなるものも良くならないね。私が先に死んだものだから、余計拍車がかかったみたいだし、誰の言うことも聞く耳を持たない。それよりは自分が納得するように生きてもらえれば、後はもうそれでいいかな。
私: そうだな。それで良いかなと思うよ。
母: 早く死んだから悪いわけでもないし、長く生きたから良いわけでもないと思うし、本人が悔いが残らなければ、結局はそれで良いんだと思いますよ。自分が死んだから言うけどね。
私: 慣習としての四十九日を迎えた深夜にこうして親子で話が出来ている現実がある。私は参加しないが、その後どうなるのか?とても興味深いものだ。もしかしら、仏教靈団が現れて説得して連れてゆくかもしれないし、もうこんな風に話が出来なくなるかもしれないし、もしくは何も変わらないかもしれないし。いずれにしても、どんな風になっても良いように、今これだけは言っておきたい。
産んでくれてどうもありがとう。
育ててくれて、ありがとう。
見守り支えてくれてありがとう。
たくさん愛してくれてありがとう。
死んでからも話をしてくれてありがとう。
またいつかこの世で逢おう!!
取り敢えず今願うことは
四十九日の意味がありませんように!
母: 大丈夫。何も変わらないから。
私はあなたの側にいるからね。
タケ、あなたは可愛いから。ありがとう。
2018.7.27 神人 拝
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